戦前から軽井沢についで外国人に愛された避暑地として開け、多くの文化人も長く逗留したことでも知られる野尻湖。 さらに古くは、ナウマン象の住処として今も発掘が続けられ、多くの出土品があり、戦国時代には国の境としてその要所 となり、歴史的な要素を数多く持つ地でもあります。 北信五岳に囲まれた美しい湖「野尻湖」を中心に、その歴史と 文化の香りを心に刻むそぞろ歩きはいかがですか? 春浅い…そう山々に雪残る頃が美しく、芽吹きの木々も目にやさしいでしょう。 夏の陽射し眩しい時は、湖に出てみるのもいいかも知れません。湖を渡る涼風は暑さも忘れ させてくれます。 小説に出てくるワンシーンを尋ねたり、作者が何を見てその一文を綴ったのか感じてみたり、 はたまたいにしえの足跡を今に感じる化石に触れてみたり、自然とのふれあいだけではない、 新しい旅をお勧めいたします。 お勧めスポット 琵琶島・野尻湖博物館・ストーン記念碑・坪田譲治記念碑・一茶句碑・杉久保遺跡跡地・象の小径・安養寺・真光寺 《解説》 野尻湖に浮かぶ琵琶島(弁天島)は、南北朝時代すでに世に知られた宇賀神社が建立 されています。 上杉・武田の戦には、野尻湖上とともに争奪戦の地となりました。 1358年僧「了妙」によって寄進された「大般若経600巻」は、武田軍によって持ち去られ、 現在では佐久市の安養寺にて長野県宝として保管されています。 また、上杉の家臣「宇佐美定行」が謀反の噂がある家臣「長尾政景」を舟遊びに誘い、 ともに水中に没したと伝えられ、琵琶島に祀られています。 野尻湖畔に建つ安養寺の辺りは野尻宿と呼ばれ、江戸時代には佐渡からの御金荷道中通過の際、金を保管した 御金蔵があったとされています。 明治時代末期、ここで、作家「中勘助」が「銀の匙」、琵琶島の社務所で「島守」を執筆しました。彼が逗留した本堂の 離れは、周囲を窓越しに見渡せ、ここから当時は野尻湖も琵琶島もよく見えたそうです。 周回道路からは、象の小径遊歩道へ入る事が出来ます。 湖面を木々の間から 見下ろす景観は素晴らしく、所々水辺に下りる個所もあり、野尻湖をより身近に感じる 事ができます。 この辺りに咲く花たちは、中部地区の植生に日本海地区のものが 若干混ざり合っていて、季節ごとに数多くの植物が見られます。 高原地帯よりはいく分 標高も低いため、雪が溶けた4月中旬辺りから花の季節が始まります。 また、現在野尻湖で繁殖しているアオサギのコロニーを半島対岸から観察する事も 出来ます。今では数が増えすぎて、農作物やわかさぎなどに被害が出始め問題視 されていますが、水辺にすっくと立ち、身じろぎもせず獲物を狙うその姿は野性の持つ 美しさを際立たせます。 この遊歩道は、「森林セラピー基地」に認定された信濃町の「癒しの森」のひとつとしても利用されています。 4年に一度行われる野尻湖発掘調査。その主宰であり、研究機関でもある野尻湖博物館には、ナウマン象をはじめ、出土した資料が数多く保管され、訪れる人にも解りやすく展示されています。 夏休みには、考古学を題材にした子供達のための体験学習なども多く開かれ、家族で楽しめるスポットとなっています。 |
Almanac Top Pageへ ALMANAC(アルマナック) 長野県上水内郡信濃町野尻2030-13 026-255-5561 アルマナックから野尻湖へは…お車で約10分 路線バスをご利用の場合は黒姫高原から野尻湖行きを利用して15分(大人200円小人100円) ハイキングの場合は約6km1時間半!! |